PRML2.9
この演習問題ではディリクレ分布が正規化されていることを、帰納法によって証明する.ディリクレ分布でM=2とした特殊な場合であるベータ分布が正規化されていることは、演習問題2.5で既に示した.
次にディリクレ分布がM-1変数の場合に正規化されているとの仮定の下、M変数でも正規化されていることを証明する.これにはまず、M変数のディリクレ分布から、の制約を使ってを除去して、ディリクレ分布を
と書く.すると、あとはC_Mを表す式を求めればよい.これには、この式を、範囲に注意しつつについて積分し、さらに、この積分の範囲が0から1となるように変数を置換する.での結果が正しいと仮定して(1)式を用いて、の式を導出せよ.
◆証明
M=2のときは演習2.5より成立していることが分かる.
M=N-1で成立していると仮定し、M=Nの場合、
で正規化されていることを証明する.
N変数のディリクレ分布からより、
、つまり.
よって、
とでM=Nの確率密度関数を表すことが出来る.
ここでM=N-1のときより、となるため、
ここでと変数変換すると、
で
積分区間はからt:0→1となる.
よって(2)は
ここでM=N-1で正規化されていることを仮定しているので、
これが(3)と等しくなるため、
となり、M=Nの場合も成立するため、帰納法よりディリクレ分布が正規化されていることが証明された.