Riskless portfolio

前回の続きからです.
原資産価格を元としたものはオプションや先物など、様々なものがあり、任意の一つを選んでF(S_{t},t)とする。また、オプション1単位をC(S_{t},t)とする.

この2つの証券を組み合わせたポートフォリオを考える.

\Pi:購入総額
w_{C}:Cを買う比率
w_{F}:Fを買う比率
w_{C}+w_{F}=1である.

とするとCを\frac{w_{C}{・}\Pi}{C}単位、Fを\frac{w_{F}{・}\Pi}{F}単位持ったポートフォリオ
\begin{align}\Pi &= w_{C}{・}\Pi+w_{F}{・}\Pi \\ &= \frac{w_{C}{・}\Pi}{C}{・}{C}+\frac{w_{F}{・}\Pi}{F}{・}{F} \end{align}
となる.

時間がtからt+dtに経過すると
\begin{align} \frac{d\Pi}{\Pi} &= \frac{\Pi_{t+dt} - \Pi_{t}}{\Pi_{t}} \\ &=\frac{1}{\Pi} \left\{ \frac{w_{C}{・}\Pi}{C}{・}{dC}+\frac{w_{F}{・}\Pi}{F}{・}{dF} \right\}\\ \end{align}

ここでCの\frac{w_{C}{・}\Pi}{C}単位、Fの\frac{w_{F}{・}\Pi}{F}単位は時刻tS_{t}の関数であるが、dt時間内では定数として扱うものとする(自己充足的ポートフォリオの持つ性質).

さて、これら2証券は幾何ブラウン運動に従うものとする.
\frac{dC_{t}}{C}=\mu_{C}dt+\sigma_{C}dW_{t}
\frac{dF_{t}}{F}=\mu_{F}dt+\sigma_{F}dW_{t}

よって、先の式に代入し、
 \frac{d\Pi}{\Pi}= (w_{C}{・}\mu_{C}+w_{F}{・}\mu_{F})dt+ (w_{C}{・}\sigma_{C}+w_{F}{・}\sigma_{F})dW_{t}

ここでリスクレスポートフォリオを考えるためw_{C}{・}\sigma_{C}+w_{F}{・}\sigma_{F}=0となるようなw_{C}w_{F}を制約条件w_{C}+w_{F}=1をもとで選ぶと、

 w^{*}_{C}=\frac{\sigma_{F}}{\sigma_{F}-\sigma{C}}
 w^{*}_{F}=\frac{-\sigma_{C}}{\sigma_{F}-\sigma{C}}

このような投資比率w^{*}_{C}w^{*}_{F}を持つポートフォリオ\Pi^{*}
 \frac{d\Pi}{\Pi}= (w_{C}{・}\mu_{C}+w_{F}{・}\mu_{F})dt
であり、ウィーナー過程の項が無い、つまり不確実変動の無いリスクレスポートフォリオとなる.